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キーボードを叩くだけのお仕事をしている人のブログ

どちらが幸せか問題

阿川佐和子さんの 『残るは食欲』という本の中で、 「お腹が空いているとき」と 「お腹が満腹のとき」 と、 はたしてどちらが幸せだろか? という問題についてを語っていました。

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僕も阿川さんと同じ考えで 「お腹が空いているとき」 に幸せを感じることが多いです。

お腹が空いて、空いて空いて、 たまらなく空いているにも関わらず、 目の前になにも食べるものがなかったら不幸ですが、 お腹が十分に空っぽになった状態で食卓につき「 さぁ、これから美味しいものを食べるぞ! 」と、期待に胃袋を膨らませ、 カツ丼が目の前に運ばれ、 一口目を食べる瞬間にとても幸福感を感じます。想像しただけで、お腹が空いてきます。

お腹をたたいてもうはいらない! と、叫ぶときより、僕はこの瞬間にずっと幸せを感じます。

どちらが幸せか問題についての答えみたいなもの見つけました。 それは谷川俊太郎さんの『黒い王様』という詩の中にあると思います。 この詩には境遇の異なる2人の人物が登場します。 2人の異なる哀しみをこんなふうに書いていました。

おなかをすかせたこどもは

おなかがすいているのでかなしかった

おなかがいっぱいのおうさまは

おなかがいっぱいなのでかなしかった

こどもはかぜのおとをきいた

おうさまはおんがくをきいた

ふたりともめになみだをうかべて

おなじひとつのほしのうえで

どちらが幸せか問題について。

幸せや悲しみの理由は人それぞれで、 何が幸せで、 何が不幸かなんて、 比べられないのだろう。

というのが、結論な気がします。 あぁー、お腹すいてきた。

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