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キーボードを叩くだけのお仕事をしている人のブログ

自転車のはなし

毎日自転車に乗っています。僕はもうこの自転車なしの生活は考えられません。

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この自転車を購入したのは2012年、の12月だったと記憶しています。後輩と一緒に、なけなしのボーナスを握りしめ名古屋の自転車ショップへ行き、このGIANTのクロスバイクを購入しました。 僕はこの自転車を購入したとき名古屋にいたのですが、地元の大分県別府市までこのクロスバイクに乗って帰ったことがあります(正確には名古屋〜大阪まで200.0km)。 グーグルマップで目的地の大阪までのルートを調べると「京都を経由して、これなら走れる!」と思い出発したのですが、滋賀と京都は山に囲まれており、名古屋からだと二つも山を超える必要がありました。グーグルマップは最短ルートを教えてくれますが、「そこには山があって危険だから止めておいたほうがいい」とは教えてくれませんでした。 グーグルに怒りを感じながらも、滋賀の山を超え、暗くなった頃に京都の山を超え、やっと光が見え、道がある!と思ったらそこは高速道路でした。今さら引き返すこともできないため、高速道路を自転車で走り続けました。 「このまま走ればどこかには着くはずだ」と信じて、ただひたすら真っ暗闇の高速道路を無心になってひた走りました。走っているとトンネルが見えてきました。そのトンネルは1車線しかなく、もちろん歩道はなく、猛スピードでトラックが横切る産業道路。その時は「もう、死ぬかもしれない」と、本気で思いました。「このまま、死にたくないなぁ」ということを数分考えた後にペダルをこぎました。 トンネルを抜けると感動的な景色が広がっているわけでもなく、高速道路が当たり前のように続いていました。少し走ると側道があり、そこから一般道に抜けることができ、なんとか京都の市街地で一泊し、次の日に大阪のフェリー乗り場まで走り、フェリーで別府まで帰ることができました。

走りながら考えていたのは「何をしているんだろう」「二度としないであろう」ということだけで、誰にぶつけていいのかわからない怒りを感じていました。 動力化しているこの時代に、名古屋という都市に住んでいて、どうしてまたこんな殺風景で、危険きわまりない高速道路をわざわざひた走らなくてはならないのかとうことを何度も強く自問していました。

僕は何に対しても、生身の身体を通してからしか、手に触れることのできる材料を通してからしか、物事を明確に認識したり、納得したりすることしかできないタイプなので、ツラい思いをしながらも、自分の体で季節を感じたり、風を感じたりできる「自転車」という乗り物が僕はとても好きです。

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